アイビーシーは10月より12期目がスタートし、また、10月16日で丸11年が経ちしました。
これもひとえに、お客様、パートナー様をはじめとする皆さまのご支援の賜物と深く感謝を申し上げます。
コラム「Kanshi de mirai」も、スタートしてから2年半が経ち、さまざまな内容を提供させていただきました。
今までは、執筆者が伝えたい内容を考え、提供しておりましたが、新しい期にもなりましたので、ここで改めて我々の主事業である「性能監視」についての考えを、長編となるかもしれませんが連載形式で記載したいと思います。
今回は連載の最初の回になりますので、「改めて、性能監視とは」という題名で進めさせていただきます。
会社設立当初は「性能監視」を行われているお客様は少数でしたが、ここ最近ではITインフラの重要性も増し、多数のお客様にて実施されています。
その中で、我々がお客様先にお伺いをし、性能監視をどのように実施されていますか?とお聞きすると、必ず「Traffic」と、次に「CPU」「メモリー」という項目で監視しているとお聞きします。
以前まではWAN回線も非常に高価で、たった「128kbps」でも月額十数万円ということもあり、回線帯域が不足することがたくさんありました。
インフラ管理者としてはなるべくコストを抑えたいが、必要な帯域を確保しないと業務に支障がでるということもあり、「Traffic」監視が一般的に普及したと考えております。
また、数年前の OS は、CPUが90%以上連続で超えると不安定になるということもあったり、メモリリークもそれほど珍しいことではなく、CPUやメモリー管理もインフラ管理者としては必須事項であったことが、現在でも続いていると考えています。
弊社は、「予兆検知」、「キャパシティ管理」が性能監視の大きな効果であると感じており、先ほどの各監視も、その当時は必要性や相応の効果があり、広く浸透したと考えております。
- 「Traffic」監視 = キャパシティ管理
- 「CPU」「メモリー」監視 = 予兆検知
それでは今のインフラ環境では如何でしょうか?
LAN回線は 1Gbps が当たり前になっており、高帯域のWAN回線も非常に安価に利用することが可能です。
また、マルチコア・マルチスレッドのCPUや大容量メモリーも比較的安く、OSも非常に堅固になり、それ相当な業務量でないと、リソースを使い切るということが稀になってまいりました。
以前に比べ、インフラ環境としての「ウィークポイント」が分かりづらいと言えます。
ただし、システムトラブルは減ることがありません。
逆に、どんなところでもシステムの「ウィークポイント」になり得ることが、現在のインフラ監視・管理の難しさではないでしょうか。
今までの サーバー / ルーター / スイッチ だけでなく、Firewall や ロードバランサー、セキュリティ関連機器や仮想化環境 等々、マルチベンダーだけでなく、「マルチインフラデバイス」の多種多様な性能状態を、どう「俯瞰的」に把握するか、そしてどこが「ウィークポイント」なのかを把握することが、今のインフラ環境における性能監視の重要なポイントであると考えております。
インフラ環境はこれからも発展をし続けていきます。
性能監視も、今までの手法から脱却する必要があるのではないでしょうか?
次回は、性能監視で把握した多種多様なデータをどう活用するのかといった内容を予定しております。
by 技術部 塚本 浩之