第 5 回

「伝え方」のあゆみ 【1】視覚と聴覚の限界

2023/07/06

担当:鶴橋 ⛏

おつかれさまです、鶴橋です。

先日、営業の同期が「お客様が女子部の記事読んだって言ってたよ」と教えてくれました。

約月 1 ペースで続けてきたデジマケ女子部も今回で第 5 回。Web 上でもコメントや Good ボタンで反応をいただけて、ライター達の日々の励みになっております。すべて目を通しています。

さて、5 月から新型コロナウイルス感染症の位置づけが 5 類感染症となりましたね。教育現場での感染再拡大のニュースもありますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

この位置づけ変更により、感染対策の実施度合いが個人・事業者の判断に委ねられるようになりました。弊社では技術側はテレワーク多め・営業側は出社多めで、平均して半々程度の比率を保っています。

テレワークと出社の兼ね合いは各部署や個人の判断に任されていますが、日頃からどんなコミュニケーションを重視しているかが現れていると思います。文面をじっくり考えられログも残る文章でのやりとりが好きな人もいるでしょうし、スピーディーかつ感情を乗せられる会話でのやりとりが好きな人もいるでしょう。

対面、Web 会議、電話、メール、チャット……。

丸 3 年にわたる with コロナ期間を経て新しいコミュニケーションツールにも慣れてきたかと思いきや、その実選択肢が増えただけで、真っ先に選ぶ得意な手段というのはなかなか変わらないものです。

「自分の思うことを正しく伝えるにはどうしたらいいんだろう?」

情報伝達の歴史はまさにその苦節の積み重ねでした。この連載では、原始の五感に頼った時代からインターネットが浸透するまで、人から人へどのように情報が伝達されていたのかの歴史を調べてまとめています。

「伝え方」のあゆみ 全 3 回予定

【1】視覚と聴覚の限界

【2】電気通信の発明

【3】インターネットの登場

本題に入る前に、私、ひとりで話し続けると硬くなってしまうので……今回はなぜなに係の後輩を呼びました。

コマツです! 女子部担当のみなさん、記事とか SNS とかなんかいろいろやっててすごいなーと思って見てました。
今回は通信の歴史を振り返る回だと聞いて来ましたが、私はガチガチの理系出身なので歴史は中学で挫折したっきりです。合いの手頑張ります。

よろしくね~

古代から中世まで

昔の情報伝達は人間のもつ視覚と聴覚に頼っていました。すなわち「大きなものを掲げる」「大きな音を出す」という素朴な方法です。

軍の指揮官からの命令を軍勢の端々まで伝達する手段として、古代ギリシア軍・ローマ軍では大きな軍旗やブッキナと呼ばれる長い金管楽器(ラッパの仲間)を使用していたようです。

ヨーロッパから遠く離れた中国でも、のろしや太鼓によって軍勢に合図を出す仕組みが整っていました。

のろしって何ですか?

焚火から上がる煙のことです。時代劇でたまに出てきますね。

漢字で書くと「狼煙」。焚火にオオカミのフンをくべると煙がまっすぐ立ちのぼって視認しやすかったらしいですよ。

のろしや太鼓は遠隔地の仲間に急報を伝えるシグナルとして、北アメリカ大陸のインディアンやアフリカの先住民族の間でも使用されていました。

世界各地で利用されたこれらの伝達手段は、やがて様々な改良と工夫によってより遠くへ素早く情報を伝えられるようになったり、複数の情報を伝えられるようになったりと進歩していきます。

(のろしの例:煙を上げる本数を変える、焚火に布をかぶせてパフの回数を変える、煙に色を付ける など)

日本では、16 世紀に武田信玄が甲斐の居城(山梨県)と信州長沼城(長野県)との間にいくつもの拠点を設け、のろしをリレーすることによって軍況を知らせていたと伝わっています。

武田信玄、聞いたことある人だ!!
のろしを何本もリレーするってめんどくさそうですけど、普通に馬で走るよりも早かったんですかね。

2021 年に再現されたのろしリレーでは直線距離 100 km・総距離 280 km のルートを 2 時間で伝達完了したそうです。

(参考:時を越えてとどけ!! 武田信玄生誕 500 年記念『第 14 回武田信玄狼煙リレー』アンバサダー体験レポート

Google マップでこのルートを調べてみると、電車で約 5 時間、歩くと 35 時間と出てきました。現代でもこれだけかかると思うと相当早いですよね。早馬や飛脚で数日掛かりの伝達が当たり前だった当時としては、まさに驚異のスピードだったと思います。


望遠鏡の登場

15 ~ 16 世紀の望遠鏡の発明は、伝達手段の改良と工夫の進歩に拍車を掛けました。

旗振り通信(旗の振り方によって情報を伝える)や腕木通信(塔の先端に取り付けた腕木と呼ばれる 3 本の巨大な棒を動かし、その形状で情報を伝える)といった遠隔通信の手法が確立し、複数の拠点間でそれをおこなうことにより、より遠い場所へのスピーディーな伝達が可能になりました。

腕木は大きいからまだいいけど、旗は小さいし動きも速いから望遠鏡で見るなんて大変そう……。
見逃しちゃったりしなかったんでしょうか。

見逃しちゃったり分からなくなっちゃうこともあったと思いますよ。いつ情報が送られてくるのか分からない時にはずっと望遠鏡を覗いて待っていないといけなかったし……。

見逃し以外にも、「それが見えた人・聞こえた人には情報がすべて漏れてしまう」ことも重大なネックでした。秘密情報を送りたい場合は、あらかじめ味方と示し合わせておいた暗号文を送らないといけません。

18 世紀に実験が開始された「電気通信」は、1 対 1 の通信を可能にしました。不特定多数への情報漏えいを防ぎながら、より遠くへ素早く情報を運ぶことができるようになったのです。

今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。

次回は電気通信の発明についてお話しします。

またお会いしましょう!

Good ボタン&コメントもぜひお願いします!

 

◆ 記事一覧 ◆

CONTACT

お気軽にお問い合わせ下さい