COLUMN

コラム

第66回:リモートワークの環境整備、どんな場所でも見える化を ~ System Answer XC ~

新型コロナウイルスの影響で、オリンピックをはじめ多くのイベントが延期や中止になってしまいました。私の身近なところでは、東京マラソンが一般参加なしから始まり、高輪ゲートウェイ駅も静かなスタートとなってしまいました。現在の状況下では当然の措置と思われますが、3 月の段階ではここまでの状況になるとは思っていなかったのが正直なところです。

 

そして、現在ではリモートワークの増加により、多くの企業のインフラが想定していなかったトランザクションの変化によって高負荷に陥り、各企業の社内システムで遅延などの問題が発生しています。弊社でも元々リモートワークの環境は整えていましたが、いざ運用を始めると WAN ルーターの負荷によって遅延が発生したため、WAN ルーターを分散する措置を緊急でとりました。また、緊急事態宣言以降、負荷状況に関する問い合わせが増えている状況です。

 

下記は、実際に遅延が発生したため WAN ルーターを分散させた際の性能データですが、トラフィックがそれほど多くない場合でも、VPN のセッション数の増加によって CPU 使用率が高い状態となり、その影響で遅延が発生することがあります。そのため、VPN セッションを分散させることが必要となります。

 

 

リモートワークの環境は今後もしばらく必要になりますし、働き方改革という意味でも重要なインフラとなります。来年のオリンピックでも都内の企業は対策が必要なことを考えると、このインフラをどう運用していくかということが各企業の業績に直結する重要なポイントであると考えています。

 

オリンピックは「東京」とはいうものの、東京一極ではなく会場が分散されますので、管理運営側は IT を駆使してもかなり気を遣います。皆さんが運用されている IT インフラも同様で、分散すればするほど管理が難しくなり、私が常にお話している見える化が非常に大事になってきます。

 

# 今年の 1 月に @ IT 運用管理セミナーというところで講演させていただきました。その中でも見える化についてお話させていただきました。
「@ IT 運用管理セミナー」協賛報告

 

基本的に大規模になればなるほど、IT インフラの見える化を一つのコンソールのみでおこなうのは困難になっていきます。それは情報が多すぎて埋もれていくものが多いからです。一方で、次のアクションに直接繋がる情報だけをとらえることができれば、日々の運用はこれで十分だともいえます。

 

そういった状況を踏まえ、インフラの詳細情報は個別の System Answer G3(以下 G3)で見えるようにしながら最低限度の情報のみを管理し、さらにライセンス管理を柔軟に設定できるようにした System Answer G3 – XC(Xconnect:クロスコネクト、以下 XC)をリリースさせていただきました。
※  アイビーシー、複数のシステム情報管理ソフトウェアを一括管理できるマルチテナント対応製品を販売開始

 

 

「ライセンス管理を柔軟に」というのはどういう意味かをご説明します。従来ソフトウェアライセンスを購入いただいたお客様は、1 台の G3 あたり 2,000 項目という弊社の監視テンプレートの基準でご購入の上、適用していただく必要がありました。しかし、通信事業者様や MSP 様によってはお客様ごとに 2,000 項目以下のケースがあり、見える化は必要だがコスト面で問題が出るケースがありました。そういった課題を解決してくれるのが XC になります。

 

例えば、XC で 10,000 項目以上ご利用の場合は、複数の G3 に自由に項目ライセンスを割り当てることができます。XC でライセンスの中央制御をおこないますので、A というお客様には 1,000、B というお客様には 100などといったライセンスの付与が可能になりました。

 

この XC の特長を活かして、以下の利用シーンで柔軟な構成を構築することが可能です。
・ライセンス管理
・マルチテナント
・拠点別データ
・冗長化(BCP 対策)

 

ライセンス管理は前述の通りですが、マルチテナントで拠点やデータセンター内のネットワークのアドレスが重複するようなケースも、G3 の管理用 IP が重複しなければ、複数の G3 を一元管理できます。アラートの閲覧も可能で、それぞれの G3 でどういったアラートが出ているかを容易に比較することが可能です。

 

 

さらに、エンタープライズのお客様で拠点からの通信レスポンスを知りたいという要望に対し、従来の G3 ではデータセンターなどのセンターに一台で構築されているケースが多く、本来知りたい拠点からの通信ではなく、センターからの通信しか把握できませんでした。ライセンスを分けて複数の G3 を拠点に設置することによって、各拠点からの通信レスポンスを 1 分間隔のデータで把握することができます。

 

また、BCP 対策を取られている企業様では、DR サイトに XC で管理されている G3 を設置することで、大規模障害時にもシステムの見える化を継続できます。仮に XC への通信ができなくなった場合でも、認証された G3 は 2 週間監視動作が継続します。その間に、復旧あるいは別サイトへのリストアをおこなうことで、障害時のデータを最小限のロスで取得することが可能です。

 

XC で管理されている G3 は基本機能に制約はありませんので、ソフトウェア単体で購入された G3 と変わりなくご利用いただけます。また、通信要件は非常にシンプルで、G3 がグローバルでもプライベートでもユニークな IP を使用し、HTTP あるいは HTTPS で XC に通信できれば問題ありません。

 

この XC の提供形態ですが、エンタープライズ様向けソフトウェア、クラウド提供型、MSP 様向けソフトウェアの 3 パターンを用意しております。

 

 

エンタープライズ向けは、10,000 項目ライセンスからの提供となります。XC on SAMS はクラウド型の提供形態となり、XC そのものは IBC にて保守運用いたします。拠点に複数の G3 を配置して運用する場合は、エンタープライズ向けかクラウド提供型の XC on SAMS のどちらかを選択いただけます。XC on SAMS については、G3 1 台あたりに割り当てられる項目ライセンスが 300 項目からとなっておりますので、それ以下の項目数で G3 を運用されたい場合には、エンタープライズモデルをご選択ください。MSP ライセンスについては、別途個別契約が必要となります。従量課金で提供するモデルとなっており、MSP 事業者様や調査などで使用されることが多い SIer 様にとっては、ビジネスの拡大に合わせた費用算出が容易に実現できます。

 

今回の XC の提供に合わせて XC on SAMS お試しキャンペーンを開催いたします。XC on SAMS の 2,000 項目ライセンス(G3 3 台まで)を 2020 年 7 月末までの期間、月額無料でご提供いたします。無料期間終了後は拠点の G3 だけを通常ライセンスに切り替え、そのまま運用することも可能ですし、XC on SAMS の継続契約あるいは MSP ライセンスへの切替も可能です。是非この機会に、リモートワークを見える化する仕組みを構築してください。
アイビーシー、リモートワーク急増に伴う ICT インフラ管理強化を支援

 

新型コロナウイルスの影響で暗いニュースと自粛の情報ばかりが流れておりますが、こういった時だからこそ私達は次の一手を考え、しっかりと準備をする必要があります。現在のインフラの問題や課題だけでなく、アフターコロナのインフラ運用を見据えた上で、弊社もお客様のインフラの安定化に繋がるサービスを展開し、この難局を乗り切るよう努めてまいります。

 

 

by プロダクト&サービス統括部 統括部長 橋本 和也

一覧を見る

CONTACT

お気軽にお問い合わせ下さい