本コラムは、これまでに性能監視の領域にあまり触れてこられなかった方へ向けた初級者向けの記事です。既に、性能監視の運用をされている方、プロフェッショナルな方は読んでいただいた後に「読んだ時間を返せ!」と思われる可能性があります。ご了承いただいた上で読んでいただけますと幸いです。
では、さっそく本題に入ります。
フィールドエンジニアとして、日々お客様へ性能監視ツールをご提案している中で「性能監視はしたいけど、何を監視したらいいの?」とご相談をいただくことが多々あります。
結論から申しますと、残念ながら「これだけ監視しておいたら大丈夫だ」という定型的なものはありません。なぜなら、使用されている機器、ネットワーク構成、利用者数、利用時間帯などさまざまな要因により、監視すべき項目が変化するためです。
極端な話ですが、監視ツールで監視できるものをすべて監視対象にしてしまえば完璧とまでは言えないまでも、かなり広範囲にカバーすることは可能かと思います。
ただし、コストパフォーマンスに優れてる方法ではないので、おススメはできかねます。
「じゃあどうしたらいいの?」となってしまいますよね。本コラムでは、私がお客様へ性能監視ツールをご提案する際に、提示している内容をご紹介します。
基本的には、以下の順番でご検討をお願いしています。
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① 監視目的の設定:何のための性能監視なのか「目的」をはっきりさせる。
② 監視対象の選定:「目的」を達成するために、何を監視すべきか検討する。
③ 監視項目の決定:②で検討した監視対象が、どの機器に必要なのかを検討する。
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<監視目的の設定>
自社のビジネスが何なのか、ビジネスをおこなう上で何が起こると問題になるのか、自社で監視すべき範囲はどこまでかを念頭に入れて「目的」を決定していただきます。
この部分は、性能監視を検討される企業様でご検討いただく範囲になります。
<監視対象の選定>
ここから IBC の出番になります。
検討された「目的」を達成するためには何を監視すればよいのか、ご提案している監視ツールではどこまでが実現可能なのかをご提示し、監視対象項目をご検討いただきます。
IBC からは、ルーター、L3 スイッチ、L2 スイッチ、サーバーなどの機器ごとに「目的」達成において有効な監視対象をご提示するイメージです。
<監視項目の決定>
IT インフラを構成する各機器が、実際に担っている役割に沿って、必要な監視項目を決定していきます。
ここでご注意いただきたいのが、例えばさまざまな理由により L3 スイッチ機器であっても、実際の役割としては L2 スイッチとして使用されているようなケースです。機能を制限して使用されていれば、L3 スイッチで必要な監視項目をすべて監視する必要はありませんので、それぞれの機器の用途を明確にしておきます。
ここまでの検討が終わった段階で、何のために何をどのようにして監視するのか要件が整理できた状態になるかと思います。
少し工程はふみますが、適正なコストで適正な性能監視をするためには必要な検討ですので、是非ともご協力させていただければと思います。
また、上記以外にも、予算の兼ね合いで監視機器に優先順位をつける必要がある場合や性能監視の分析方法を知りたいなど、IBC でこれまで手掛けてきたノウハウを元に、さまざまなご提案をおこなっておりますので、ご興味をお持ちの方は、お気軽に IBC の性能監視ツール System Answer G3 の評価版をお申し込みいただけると幸いです。
最後に、System Answer G3 の特長をご紹介します。監視ツールをご検討いただく際の参考にしていただければと思います。
・1 分間隔で収集した過去 3 年間非圧縮データを保持し、過去データからの傾向や稼働比較など予防保守の対応や分析などをおこなうことが可能。
・119 ベンダー、3,992 種類の監視項目(本コラム掲載時点)をテンプレート化しており、必要な情報を自動で判断して、設定することが可能。
・SNMP 監視、API 監視など多彩な監視手法でデータを一元管理することで、システム全体の稼働状況を正確かつ詳細に把握することが可能。
by プロダクト&サービス統括部 コンサルティングサービス部 藤原 知大