まず台風 15 号、19 号の被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
タイトルはふざけた感じですが、今回のコラムも真面目に書かせていただきます。
お客様のお話を伺っていると、今年は社内システムのクラウド移行が本当に多いなと感じます。基幹系のサービスなどは、AWS へすでに移行済みのお客様も、Office 365 を使用していることから、Azure に社内システムを移行する計画があったり、社内でクラウド移行を検討するように指示を受けているが、どうやっていいか悩まれているお客様が数多くいらっしゃる印象です。すでにクラウドは、社内インフラの一部になっていることや、日本の多くの情報システム部門の価値観として、クラウド利用に対する障壁がグッと下がったと実感しています。
そんな中、8 月には AWS の大規模障害が発生しました。弊社の「SAMS」というサービスも、AWS を使用してお客様に MSP サービスを提供しているのですが、弊社サービスそのものには影響がありませんでした。
※ ここで改めて弊社サービスの SAMS を簡単におさらい。
SAMS は、AWS 上に SAMS 基盤を構築し、その基盤からお客様のオンプレ環境やクラウド環境の監視運用をおこなうサービスです。お客様ごとに環境はさまざまですが、運用のベースはクラウドとなります。レポートサービスが特徴的なサービスとなっており、長年、IBC が取り組んできた性能分析のノウハウを、SAMS レポートという簡易レポートに凝縮してお客様に提供しています。
この AWS の障害に関するお話を色々な方から伺うと、大きな影響があったというお客様が多かったのですが、「どうしようもない」とか「仕方ない」というような声も多く聞かれました。このあたりがオンプレの対応とは違い、インフラ運用が変わってきた証拠だなと私は感じています。
例えば、オンプレで自分たちが構築・運用しているインフラであれば、すぐに駆けつけ、交換作業に追われるというのが運用者の常なのですが、何も手を出すことができず、諦めざるを得ない状況を受け止める準備ができているように感じました。仮に、オンプレで同様の障害が長時間発生したら、皆さん大目玉ですよね?こうした変化が、パブリッククラウドが普及したことの表れなのだと思います。
そんな状況の中、最後発ながら Oracle Cloud が存在感を示し始めているのを、日頃からパブリッククラウドを利用し、情報収集している皆さんであればお気づきのことと思います。まず価格ですが、最後発というだけあって他のクラウドに負けないような設定になっています。戦略的価格設定というやつでしょうか。
また、特徴的なキーワードとして ” Autonomous ” という自動化のキーワードが登場します。私個人としては、DB よりも「Autonomous Linux」が大変気になっているので、近々試してみようと考えていますが、当然メインの DB にも「Autonomous Database」があります。
私は DB 屋さんではありませんが、自動的にパッチが当たって、自動で管理や復旧まで考えてくれる上に、個人の傾向を機械学習もしてくれて、パフォーマンスを最適化してくれるなんて、本当?ってなるのですが。これは試してみる価値がありそうです。なぜなら、低コストで試すことができるからです。(「Always Free」)
そもそも、Oracle DB を利用しているユーザーであれば、そのライセンスを持ち込んで大幅なコストカットが可能になっていますし、持ち込みライセンスに勝手にたくさんのオプションが付いてくるのも魅力になっています。ファイルサーバとしてクラウドを利用していても、やっぱり安いという印象を持つかもしれません。価格で勝負に来ているのは明らかです。
私は、Oracle Cloud そのものの営業をしているわけではないのですが、他のサービスと比較しても、色々と思い切ったことをしてきているので、毎日ニュースを楽しみに見ています。その Oracle Cloud への移行支援を始めますという話なのですが、我々も DB について専門ではありません。そこで、DB の専門家集団である「株式会社コーソル」、DB のパフォーマンス管理の専門家である「日本エクセム株式会社」と共同で、設計 → 構築 → 運用まで含めたワンストップソリューションを提供することにしました。IBC も、パフォーマンス管理は強みなのですが、Oracle 製品は、SNMP でデータ取得できないケースが多く、専用のツールが必要になります。その際に、日本エクセム様の MaxGauge を使用することになります。
【図1】Oracle Cloud 移行パッケージ
上記の図の通り、設計構築から保守運用まで提供できる体制をとっており、DB 部分はコーソル、DB のパフォーマンス管理は MaxGauge(日本エクセム)、インフラは IBC というように、三社の強みを活かした形で、システムのスムーズなクラウド移行を支援できると考えています。また、Oracle DB の移行後の運用や保守については、弊社が SAMS を提供していることから、24 時間 365 日での監視サービスを受けていただくことが可能です。もちろん、SAMS レポートも検討中です。
最後に、Oracle Cloud の登場で、マルチクラウドを利用する情報システム部門が増えてくるのではないかと想定しています。また、Azure と Oracle Cloud などは相互接続も強化しており、クラウドベンダーも連携を意識していることがうかがえます。そういった環境の構築や移行、運用管理を SAMS でトータルサポートさせていただきます。
10 月 23 日(水)~10 月 25 日(金)まで、幕張メッセで「クラウドコンピューティング EXPO」に出展します。本コラムの Oracle Cloud 移行についても、お気軽にお問合せください。
by プロダクト&サービス統括部 SAMS サービス部 部長 橋本 和也