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第22回:仮想サーバとストレージ

今回は、仮想サーバ(VMware)とストレージについてお話しさせていただきます。
仮想サーバを構築する際に、ストレージに求められる設計として何が挙げられるでしょうか。

数年前までは容量と冗長性が主であったかと思います。
特にスモールスタートしたシステムでは容量を満たせばとりあえずは問題なく、予算に余裕があれば冗長性を持たせるという設計が行われていたのがほとんどでした。

最近の仮想サーバではいかがでしょうか。
それこそストレージへの影響が大きいデータベースを仮想サーバ上に構築することも少なくありません。
スモールスタートを狙い、利用者の増加に応じて仮想サーバならではのリソースの柔軟な割り当てを
行って、CPUやメモリーを追加で割り当てていく設計が見受けられます。
また、サービススタート時には必要でなかったサーバが増えていくこともよくあります。
その際のストレージはいかがでしょうか。構築時に容量には余裕を持たせたし、冗長性も問題ないので、CPUやメモリーと異なりストレージリソースの追加はしないことが多いのではないでしょうか。

物理的なサーバと異なり、仮想サーバでは1つのストレージボリュームに対して複数のゲストOSを割り当てることが可能です。そのため、物理サーバではあまり問題にはならなかったI/O性能がボトルネックになってきます。特にデータベースやファイルに対して読み書きが多いようなアプリケーションでは顕著に影響を与えます。

そのため、最近の仮想サーバ設計ではIOPS(秒間I/O回数)も考慮に入れた設計をすることが大切です。
RAID構成とRAIDカード上のキャッシュヒット率にもよりますが、IOPSはハードディスクの回転数によって上限の理論値を求めることが可能です。
(一般的には15,000回転のHDD 1台のIOPSは175程度とされています。RAID5だと構成本数分の倍数がIOPSになると言われていますので、4本のRAIDであればIOPSは700(理論値)となります。)

ハードウェアのIOPSの上限は求められますが、実際にゲストOSが要求するIOPSはいかがでしょうか。
サーバを構築して実際に稼働させないとIOPSを算出することは難しいうえ、長期的に計測や保存する
ツールはほとんど見当たらない(VMwareではVMコンソールで確認可能ですが、長期にわたる保存はできませんでした)という状況でした。
IOPSが重要とはいっても負荷テストで得られた瞬間的な情報をもとに設計するしかなく、実際の運用環境において過不足を確認することがかなり難しい状況でした。

このような状況に対して、System Answer G2は実際の運用における長期的な情報収集の手段を提供し、仮想サーバに対するストレージ性能がボトルネックになっていないかを確認することを可能にします。

仮想サーバ(VMware)を用いたシステムにおいて、CPUやメモリーは足りているのに遅いとクレームがついてしまう。そのようなシステムではストレージのIOPSを確認することも一つです。
仮想サーバの性能問題でお困りの際には、是非System Answer G2をお試しください。

by 技術部技術支援グループ 井上 周洋

次回のテーマは「フィリピンのITインフラ事情」です。

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