今月の「kanshi de mirai」では、SystemAnswerのオプション機能であるAPIオプションの活用事例をご紹介いたします。
SystemAnswerでは、最大500台の機器の性能データを1分間隔で収集し、長期的に蓄積することができます。APIオプションは、蓄積している性能データを活用して機器のキャパシティ計画やパフォーマンス管理を実現し、お客様の運用工数を大幅に削減することが可能です。
SystemAnswerAPIオプションとは?
SystemAnswerに蓄積している性能データを、2次加工の目的で、外部(PC等)より任意のAPIパラメータを実行することで、2次加工の元ネタをダウンロードできます。
主な機能は以下のとおりです。
1) 指定機器のグラフを指定した日付、サイズにてグラフ表示
2) 各機器で取得しているデータ及び設定情報をCSVにて出力
3) 自社の管理用のポータルサイトへグラフを表示
4) パーセンタイル値計算を実行し、グラフ・CSVにて表示
etc.
非常にシンプルな情報となりますが、これのデータを基に日々の運用効率やパフォーマンス管理にご利用頂いております。
その一例を以下に記載いたします。
1) API機能を利用して300台のネットワーク機器のランキング表示による、予防保守対策の実現
【業種】 | : | 金融系 |
【対象機器】 | : | 300台 |
【目的】 | : | 潜在トラブルの未然防止 |
【対応方法】 | : | APIオプション+スクリプト+マクロ |
【対象データ】 | : | トラフィック、CPU、メモリー情報、エラー、CRCエラー |
Step1(月次例)
SystemAnswerに対して、APIオプションを利用して各機器毎の性能データを一定期間収集し、CSVデータとしてダウンロード
【スクリプト】
・1ヶ月間の各機器の性能データ平均値
・1ヶ月間の各機器の性能データ最大値
Step2
収集したデータを機器利用目的毎に振り分けて、ランキング表示
【MSマクロ利用】
Step3
規定値設定により、それを超えた機器をリストアップし、詳細調査を実施
【EXCELのソート機能にて】
【効果】
*300台の中から、見るべきポイントを絞り込むことが可能になり、大幅に工数を削減できた。
*毎日実施することで、機器の性能状況の変化を確認でき、突発的なトラブルを未然に防ぐことが可能になった。
*バッチで処理しているため、前日及び前月の情報をタイムリーに調査して対策をとることができた。
2) レポート作成工数の大幅な削減
【業種】 | : | DCサービス |
【対象機器】 | : | 200台 |
【目的】 | : | 定期報告レポートの作成工数削減と、レポート報告内容の充実 |
【課題】 | : | エンドユーザーへの提出レポートが指定フォーマットになっており、レポート作成に時間がかかっている。提示内容はトラフィックのみ。 *トラフィック帯域にあわせたグラフ加工(手動修正) *表示グラフのコピーによる指定フォーマットへの定期報告書の作成工数(1週間) *毎月定型+顧客要望時 |
【対応方法】 | : | APIオプション+スクリプト+マクロ |
【対象データ】 | : | トラフィック、CPU、メモリー情報、エラー |
STEP1
作成したスクリプト経由にて、APIパラメータを実行し、以下の性能グラフを作成
*各機器に指定された、グラフ上限値(例:100MBの帯域の場合、グラフ上限100MB)
*指定したグラフを、指定した日付及びホスト名称を入力したjpgファイルとして、指定PCに保存
STEP2
EXCELマクロを利用し、上記にて保存されたファイルを指定のシートの指定セルに
貼り付け処理
【効果】
この処理をバッチ処理として実行することにより、1時間で定型レポートの作成が可能になり、大幅な作業工数の削減を実現できた。また、今まで提出できていなかった他の性能データを付加価値として提示することによって、顧客満足の向上が図れた。
SystemAnswerは多くの詳細な性能データを蓄積することが可能です。しかし、その重要なデータを有効活用できていなければ、本来の目的は達成できません。弊社は性能管理を目的として、SystemAnswerを開発し、お客様のITインフラのサービスレベルの安定稼動を実現することが最大のミッションであると考えています。今回ご紹介したAPIオプションは、機能こそ非常に単純なものではございますが、アイディアひとつで性能監視に広がりを持たせるオプションであるといえます。
APIオプションでお客様の課題を解決できる分野は上記以外にもあります。是非、貴社ITインフラのサービスレベル維持のために、SystemAnswerとAPIオプションの組み合わせをご検討いただければ幸いです。
次回のテーマは「サイレント障害に挑む」です。
by 営業統括部 平林