2015年11月、高砂工場基幹ネットワーク更新の際に、性能・品質面において問題の有無を判断するために、定量的な性能情報が必要であると感じていた。また、トラブル発生時にも、迅速な障害原因の切り分けのためには、過去に遡って性能情報を確認する必要があった。そのため、SNMPベースの既存利用製品MRTGやその他製品の検討を行ったが、システムの操作性が悪い、データ収集粒度が粗く正確な分析ができない等の課題を抱えていた。そんな折、親会社の三菱重工業で採用実績のあるSystem Answer G2 の紹介を受けて評価テストを実施し、上記要望に対応できることが確信できたため、採用に至った。
CASE STUDY
導入事例・導入実績
運用支援サービスによる評価分析で効果的な運用改善と迅速な障害切り分けを実現!
三菱パワー株式会社
三菱日立パワーシステムズ株式会社は、2014年2月に三菱重工業株式会社と株式会社日立製作所の火力発電システム事業の統合により誕生した。両社が持つ、多彩かつ経験豊富な人材、高い技術力、幅広い製品ラインナップを最大限に引き出し、火力システム分野におけるグローバルNo.1を目指している。
またエネルギー環境という地球規模の課題解決に貢献し、電力の安定供給を実現していく。
- 設立
- 2014年2月1日
- 資本金
- 1,000億円
- 従業員
- 連結 20,648人 単独 11,190人(2016年4月現在)
- 所在地
- (本社)
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目 3番地1号 三菱重工横浜ビル
(高砂工場)
兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番地1号 - 事業内容
- 火力発電システム事業・地熱発電システム事業・環境装置事業・燃料電池事業 他
- 開始
- 2016年4月
- 用途
- 高砂工場内インフラ監視
- 規模・対象
- 100ノード ルーターやスイッチを約80台 大型コアネットワーク機器多数
運用支援サービスによる定期分析の実施
-第三者による分析から潜在的な課題の洗い出し 対策の立案と改善の実施
-投資計画の検討材料として活用
導入背景
採用理由
評価テストとして2週間に渡り、一部のサーバーとルーターの性能監視を System Answer G2 で行い、最終日には開発元のアイビーシーが簡易コンサルティングを実施。高砂工場内のインフラ機器の性能調査を第三者目線にて行うことができ、自社では気づくことができなかった課題がいくつか判明し、対策を打つことができた。評価テストの結果を踏まえ、以下の点を評価して System Answer G2 の導入を決定した。
①第三者による評価分析により、ITインフラの潜在的な問題点の洗い出しが可能であること。
②操作性が良い、レスポンスが速い。わかりやすい設定・分析が可能であること。
③プライベートMIBを含め、対応範囲が広いこと。
④サポートが充実した国産製品であること。
効果・感想
今までは、システム利用者から性能遅延等の連絡を受けた際に、詳細データの蓄積が行えていなかったため、事象の再現を待って調査を進めていた。System Answer G2 の採用により、詳細に蓄積されたデータを基にインフラの状態を正確に捉え、ネットワークの問題なのか、それ以外の問題なのかを早期に切り分けることが可能となり、原因特定時間を大幅に削減できた。
特に、期初に入れ替えとなった基幹系システムにおいては、本工場の利用者のみで接続遅延が発生する障害が起きた。工場内LANで問題がないことは確認できたが、原因が特定できずにいた。System Answer G2 を導入後、詳細調査を進め該当システムを経由する特定の通信ポートのレスポンス計測を実施したところ、通信遅延が判明した。今まではLAN内で処理したシステムが、Proxy経由での処理に変更となったため、セッション数が上限の1,000を超えていた。そのため、Proxy処理遅延により、全体的にサービス遅延に陥ったことが判明した。現在はセッション数を減らす対策をとることで、安定しているが、新たにしきい値を設定することにより、定点管理を行って、予防保守を実現している。
今後のプラン
System Answer G2 では容易にインフラ機器の登録ができるため、今後の更改に向けて各機器の性能情報収集を進め、更改計画・増設計画立案の指標として利用する予定である。直近では、無線アクセスポイントの接続不備から調査を実施し、1台あたりの接続数が多いエリアに無線機器を増設する際の根拠として System Answer G2 を利用した。
アイビーシーの運用支援サービスを定期的に開催し、専門家からの客観的な意見を受け潜在的な問題点等の洗い出しと改善を行っている。
今後は、高砂工場以外の別エリアにおいても、System Answer G2 の利用を進めていきたい。高砂工場同様に、個別で運用管理を行っている各工場および本社NWへ展開を進め、System Answer G2のデータを共通情報として、全体的なサービスレベル向上につなげたいと考えている。