2007 年ごろ、東京証券取引所において株式売買システムである arrowhead の開発に合わせ、高速かつ高信頼なネットワークシステムとして arrownet を開発する計画が始動した。ネットワークシステムとその監視システムの構築、維持・運用の計画を立案していく中で、機器の異常をいち早く検知し、システムを止めずに先回りの事前対策をおこなうには、ネットワーク機器・サーバーのパフォーマンス情報などの性能データの管理が必要であった。
それまでのネットワークシステムでは一元管理した監視システムはなく、障害が発生した際には SE の判断でトラブル原因の範囲にあたりをつけ、機器のログを調査したりパケットキャプチャによるトラブルシュートをおこなっていた。そのため、維持・保守・運用に多くのメンバーが携わることになる arrownet では、誰でも障害原因の絞り込みや切り分けをおこなえる性能管理ツールが必要であった。また、JP1 などの統合監視ツールは元々使用していたが、これらの用途は主にアラートのメッセージ検知であった。そこでいくつかの性能監視ツールを調査した結果、『死活監視からの脱却』をコンセプトとし、Web GUI で手軽にネットワーク全体の可視化を可能にする性能監視ツール「System Answer(初代)」を知り、導入を決定した。