CASE STUDY

導入事例・導入実績

事業の DX を支える、IT インフラの健全性を獲得!
~ 年間のネットワーク負荷傾向とユーザー利用状況を予測し、トラブルを未然に防止 ~

System Answer G3
製造業

ダイキン工業株式会社 / ダイキン情報システム株式会社

ダイキン工業株式会社 / ダイキン情報システム株式会社

1924 年に大阪で創業して以来、ダイキンは今、空調事業を中心に、世界 160 カ国以上で事業を展開している。
社会や地域が抱える課題の解決、そして、事業の成長。この 2 つの両立で人々の健康と快適を支え、空気と環境の新しい価値を創るグローバル企業として、世界中の期待と信頼に応え続けていく。

ダイキン工業株式会社 / ダイキン情報システム株式会社

設立
1934 年 2 月 11 日
資本金
85,032,436,655 円
従業員数
単独 7,732 名、連結 84,870 名
(2021 年 3 月 31 日現在)
所在地
大阪市北区中崎西 2-4-12
梅田センタービル
事業内容
空調・冷凍機、化学、油機、特機、電子システム
導入内容
開始
2018 年 10 月 ~ System Answer G3
用途
ネットワーク回線、機器
規模・対象
15,000 項目

導入背景

ダイキン工業の基幹システムを支えるダイキン情報システムでは、国内約 2 万ユーザー、グローバル約 10 万ユーザーが利用するネットワークインフラを監視・運用している。

System Answer G3 の導入は、2018 年 5 月に発生した Microsoft 365(当時は Office 365)のメールの受信障害がきっかけである。この日はゴールデンウィークが明けてから初めての営業日であり、朝に全ユーザーが一斉に約1週間分のメールを受信したことで、社内に設置している Microsoft 365 用認証サーバー周辺で輻輳が起こり、メールの送受信が全く出来なくなってしまった。Microsoft 365 へのアクセス数減少にともない、障害自体は自然復旧したが、輻輳が発生した原因がどこにあるのか(サーバー、ネットワーク機器、ケーブルなど)が不明なままであった。

長期連休明けの一斉メール受信が障害のきっかけであることは明白であったため、次回の連休明けにも同じ事象が発生する可能性は極めて高かった。そのため、夏期休業期間である 8 月までの約 3 ヶ月間で輻輳の原因となったポイントの特定および対策をおこない、問題を根本解決する必要があった。

採用理由

■スポットコンサルティングサービスの利用

上記の問題解決のために既存ベンダーに相談し、紹介されたのが、アイビーシーのスポットコンサルティングサービスだった。優れた調査ツール(System Answer シリーズ)を持ち、さらにネットワークや Microsoft 365 についての知見もあることが確認できたため、必ず障害の原因を特定してくれると確信して、コンサルティングサービスの利用を決定した。

コンサルティングでは、ダイキン社内のルーター、L3 スイッチ、ファイアウォール、プロキシサーバー、ロードバランサーを中心に各機器の詳細なリソース情報を System Answer G3 と Quality Analyzer Option で取得し、そのデータを元に原因の調査をおこなった。その結果、以下の 2 つが障害の原因であると特定できた。

1.青線の箇所でパケットロスが発生していたため、プロキシサーバーから Microsoft 365 への通信と、WAP サーバーから AD サーバーへの通信が遅延していた。また、L3 スイッチとメール振り分けルーター間の全ての通信が 1 本のラインで往来しており、大量のネットワーク通信が発生した時にボトルネックとなっていた。

2.利用しているロードバランサーのセッション数上限が 15 万 3000 件なのに対し、Microsoft 365 のセッション数が日常的に 14 ~ 15 万件に達していた。利用者増加時にはここがボトルネックになっていた。

この 2 点に対する処置をおこなった結果、2018 年 8 月の夏期休暇明けは障害が発生することなく業務を開始できた。

 

System Answer G3 の常設決定

Microsoft 365 の利用にあたっては、他企業のアセスメントを過去 2 回受け、ネットワーク環境に問題がないという確認が取れていた。それにもかかわらず今回の障害が発生したのは、ユーザーの活用ケースの増加をとらえきれていなかったことが原因であった。再発防止のためには常時ネットワーク状態を監視して傾向をとらえ、その傾向から外れた場合にはいち早く検知し、問題が発生する前に対処することが不可欠であると判断した。

System Answer G3 は、日常的な傾向をとらえるベースライン機能や、突発的な異常に対していち早く検知できるトレンドライン機能などをデフォルト機能として備えている。これらの特徴とダイキン工業 / ダイキン情報システムが求める条件が一致していた。また、スポット分析サービスで受けた親身で的確なアドバイスにもアイビーシーの技術力・サポート力の高さを実感し、System Answer G3 の導入を決定した。

効果・感想

System Answer G3 の導入から今日に至るまで、長期休暇明けのトラブルは一度も発生することなく、IT 基盤の安定稼働を実現できている。

System Answer G3 は操作性に優れ、収集した大量のデータを瞬時にグラフ表示でき、表示期間も瞬時に切り替わるため分析が速やかにおこなえ、問題発生時の調査ではとても重宝している。

また、ブックマーク機能を活用して、各工場・拠点ごとにルーターの CPU 使用率 / トラフィック量 / パケット数をまとめた「常に確認する」グループや、「連休明けには必ず確認する」グループなどを作成している。システム環境や利用状況に合わせた確認ポイントをグループ化し、誰でもすぐに IT システム全体から特定業務システムや特定工場・拠点の状況判断ができるようにカスタマイズできる機能がとても役に立っている。

今後、Microsoft 365 関連に留まらず、全ネットワーク回線、全ネットワーク機器を System Answer G3 で監視していく。

今後のプラン

年末年始、GW、夏期休暇といった年間のネットワーク負荷や利用状況の特徴をとらえ、未来の IT リソース状況が予測できる様になれば、人が気づけないことがカバーでき、より安定した IT システム環境を整えられると考えている。

System Answer G3 の将来予測オプションでは、将来的にリソースがしきい値を超える時期を予測する「キャパシティ予知機能」、昨年の月別実績値と今年の経過月の実績値から将来月の予測値を算出する「昨対比較機能」などにより、トラブルの原因を先回りして対処することができる。人手による分析負荷の軽減のため、活用を検討中である。

System Answer G3 を導入してから現在まで、有線環境を中心に監視してきた。今後は社内の無線 LAN 環境やクラウド環境にも監視範囲を広げていきたい。無線 LAN・有線 LAN・WAN の全体を一元的に監視していくことで、障害時の切り分けがより迅速化できると期待している。

近年、会社の事業・経営における IT 活用の重要性がより増してきている。2018 年の System Answer G3 導入から、ネットワークの健全性を容易に確認する手段を手に入れることができた。今後は DX やデジタル化の取り組みを進めて事業・経営の成長を支えていくために、引き続き System Answer G3 を活用していく。

活用ポイント

System Answer G3 を活用したネットワーク負荷状況報告資料の作成

System Answer G3 で取得したデータをもとに作成したネットワーク負荷報告資料を、3 ヶ月ごとにダイキン情報システム社員全員に共有している。

通称 “ネットワーク天気予報” と呼んでいるこの資料は、System Answer G3 で収集したデータをもとに今後のネットワーク負荷予想を「晴れ」「曇り」「雨」で表現している。販売担当者や工場勤務者など、普段は別拠点にいたり、ネットワークに関する知識が少ない人でも、どこの回線が混んでいてどこの回線の増強が必要なのかを一目で確認することができる。

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