■スポットコンサルティングサービスの利用
上記の問題解決のために既存ベンダーに相談し、紹介されたのが、アイビーシーのスポットコンサルティングサービスだった。優れた調査ツール(System Answer シリーズ)を持ち、さらにネットワークや Microsoft 365 についての知見もあることが確認できたため、必ず障害の原因を特定してくれると確信して、コンサルティングサービスの利用を決定した。
コンサルティングでは、ダイキン社内のルーター、L3 スイッチ、ファイアウォール、プロキシサーバー、ロードバランサーを中心に各機器の詳細なリソース情報を System Answer G3 と Quality Analyzer Option で取得し、そのデータを元に原因の調査をおこなった。その結果、以下の 2 つが障害の原因であると特定できた。
1.青線の箇所でパケットロスが発生していたため、プロキシサーバーから Microsoft 365 への通信と、WAP サーバーから AD サーバーへの通信が遅延していた。また、L3 スイッチとメール振り分けルーター間の全ての通信が 1 本のラインで往来しており、大量のネットワーク通信が発生した時にボトルネックとなっていた。
2.利用しているロードバランサーのセッション数上限が 15 万 3000 件なのに対し、Microsoft 365 のセッション数が日常的に 14 ~ 15 万件に達していた。利用者増加時にはここがボトルネックになっていた。
この 2 点に対する処置をおこなった結果、2018 年 8 月の夏期休暇明けは障害が発生することなく業務を開始できた。
■System Answer G3 の常設決定
Microsoft 365 の利用にあたっては、他企業のアセスメントを過去 2 回受け、ネットワーク環境に問題がないという確認が取れていた。それにもかかわらず今回の障害が発生したのは、ユーザーの活用ケースの増加をとらえきれていなかったことが原因であった。再発防止のためには常時ネットワーク状態を監視して傾向をとらえ、その傾向から外れた場合にはいち早く検知し、問題が発生する前に対処することが不可欠であると判断した。
System Answer G3 は、日常的な傾向をとらえるベースライン機能や、突発的な異常に対していち早く検知できるトレンドライン機能などをデフォルト機能として備えている。これらの特徴とダイキン工業 / ダイキン情報システムが求める条件が一致していた。また、スポット分析サービスで受けた親身で的確なアドバイスにもアイビーシーの技術力・サポート力の高さを実感し、System Answer G3 の導入を決定した。