CASE STUDY

導入事例・導入実績

研究室ごとの通信傾向から、快適な研究環境を予測整備
~ 大規模 VLAN ネットワークの状況を一括管理し障害を未然に防ぐ ~

System Answer G3
教育・学習支援業

国立大学法人 名古屋工業大学

国立大学法人 名古屋工業大学

名古屋工業大学は、名古屋高等工業学校と愛知県立高等工業学校を前身として設置された国立大学。常に新たな産業と文化の揺籃として、革新的な学術・技術を創造し、有為な人材を育成し、これからの社会の平和と幸福に貢献することが基本使命とし、「ものづくり」「ひとづくり」「未来づくり」を実践する。2022 年 4 月から、博士後期課程をひとつの『工学専攻』に再編し、専攻の壁を取り除いた俯瞰的指導体制のもと、異分野横断型の融合研究も本格化させていく。

国立大学法人 名古屋工業大学

設立
昭和 24 年 5 月 31 日
学生数
5,751 名(2021 年 5 月 1 日時点)
所在地
名古屋市昭和区御器所町
主な学科
生命・応用化学科、物理工学科、情報工学科、電気・機械工学科、社会工学科、創造工学教育課程、大学院工学研究科
導入内容
開始
2021 年 8 月
規模・対象
30,000 項目

研究室ごとの VLAN のトラフィック状況を Calc (データ演算)機能でランキング表示する

Calc 機能は、G3 で監視している複数の性能データの「合計」や「平均」の値をグラフ表示できる機能です。

 

名古屋工業大学では、各研究室のネットワークを VLAN で分割して管理しています。

各エリア(棟・フロアごと)のすべての研究室のトラフィック量を Calc 機能で合計し、ひとつのグラフにまとめると、そのまとめたグラフをランキング形式で表示することができます。トラフィック量の急な増減があった場合などに、原因となるエリアの絞り込みに活用できます。どの研究室が原因となっているのかはブックマークカスタムグラフ機能を用いて確認します。

ブックマークカスタムグラフ機能

同じブックマークフォルダに入った複数のグラフを 1 枚に重ねてカスタムすることができます。この機能を使用すると、各エリアの VLAN ごとの内訳を見ることができます。

導入背景

名古屋工業大学は約 2 万台の機器の MAC アドレス認証が可能な大規模 VLAN ネットワークを 2003 年から運用しており、安定的なネットワークの管理と運用に取り組んできた。2021 年 8 月に新しいネットワーク環境への移行にともなう機器リプレイスを計画するにあたり、それらの機器のトラフィック状況を可視化し、ネットワーク障害が発生した際の早急な状況把握と復旧を実現できる仕組みを整えるため、新たな監視ツールを導入することとなった。

採用理由

複数の監視ツールについて調査をおこない、OSS 製品 2 種と System Answer G3 の 3 製品が候補となった。最終的に System Answer G3 を選定した決め手となったのは、以下の 5 点である。

  1. サーバー監視はもとよりネットワーク監視が得意なツールであり、名古屋工業大学が取り組もうとしていたネットワーク監視・管理強化の要望に向いている。
  2. 情報の「可視化」が容易で、トラブルの際の影響範囲や、対策後のトラフィックの減少を把握しやすい。
  3. 既存のネットワーク機器(アラクサラのスイッチや Fortinet のファイアウォールなど)のベンダー MIB に対応するテンプレートがあり、監視の設定を簡単におこなうことができる。
  4. GUI がわかりやすく、監視対象機器 / 項目の登録や設定などの各種操作が容易である。
  5. エージェントレスで導入時の手間が少ない。ZABBIX エージェントとの連携で多種多様な監視範囲もカバーすることが可能である。

効果・感想

各スイッチのトラフィックデータを収集して可視化することによって、障害発生の検知や障害の影響範囲の把握、ボトルネックと予想される機器の絞り込みができるようになった。特に各研究室の VLAN ごとにトラフィック量を確認できるようになり、研究室ごとの傾向を分析できるようになったことは、今後の運用における参考指標として大変ありがたい。

また、ネットワークのトラフィックだけでなく、物理・仮想サーバーのリソース使用量・使用率も把握できるようになった。上限しきい値に到達したらアラートを出す設定をしておくことで、ハードディスクの容量が 100 % になる時期を予測し、容量不足で業務が止まってしまう前に対応できるようになった。

今後のプラン

有線 LAN 環境の整備と運用監視が整ったので、今後は各研究室ごと・講義室ごとの無線 LAN アクセスポイントのトラフィック量も監視していきたい。G3 の将来予測オプションの昨対比較機能を用いて、履修登録や試験期間などの時期によるトラフィックの傾向・変動を長期的に観測していくことも検討中で、現在はオプションの評価準備を進めているところである。

また、G3 の Calc(データ演算)機能とランキング機能、ブックマークカスタムグラフ機能を活用して、日ごろからトラフィック量の多い棟やフロアを洗い出し、定常的な状況の把握に力を入れていきたい。「SINET を活用したプロジェクト研究や他大学 / 研究機関との共同研究が多い研究室はトラフィック量が多い」などが分かれば、今後のネットワーク機器や LAN を入れ替える際に、どこを優先的に交換・拡張すべきかの参考として使用できる。

※SINET:日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として、国立情報学研究所(NII)が構築、運用している情報通信ネットワーク

本記事は、名古屋工業大学情報基盤センターネットワーク部門長 打矢 隆弘 様、技術部副課長 若松 慎三 様へのインタビューをもとに作成しました。

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