2017 年度 第 4 回 IBC ユーザー会(大阪)報告
2018 年 5 月上旬に、第 4 回 IBC ユーザー会(大阪)が開催されましたので、その内容についてご報告します。
今回は、6 社 9 名の会員様にご出席いただき、各社におけるクラウド利用について、ディスカッションしていただきました。
【クラウド利用の理由】
- ◆ 設備
- 取引先との協業において、データ授受が簡易におこなえる環境が必要だった
- 取引先とのデータ連携先がクラウドサービスのみだった
- 事務所のスペース確保のため
- グループ向けシステムの稼働環境として利用
- オンプレミスのサーバー老朽化対策
- ネットワーク構成を考えると障害ポイントが減るため
- 画像データ表示によりトラフィック量が大量になるため
- ◆ 調達
- 検証環境などの構築が容易に調達できるため
- インターネット接続環境の強化
- 導入システムがクラウドのみだったため
- ◆ 費用
- 社外サービスを利用する方が設置・運用面でコストが安価
【サービス選定のポイント】
- ◆ AWS
- 構築実績があるため
- キャリアサービスを利用するとネットワーク側も考慮して導入できる
- 導入段階にAWSしか選択になかった
- ◆ Azure
- Office365 との連携を見据えて利用した
- オンプレミスの Exchange からの移行に際し、影響を最小限とするため
- ◆ その他
- Enterprise Cloud 、K-OPT Utility Cloud 、NECCI を利用
【成功事例】
- ハードウェア保守を気にする必要がなくなった
- スケーラビリティを心配する必要がなく、利用に注力できる
- 物理基盤の調達が不要になり、必要に応じて構築・破棄が可能
- クラウドを導入直後は、特に問題がない
- ハードウェア構築が必要なく、手間をかけずに開始できる
【失敗談】
- クラウド基盤で障害が発生すると復旧待機以外に、できることが限られている
- トラブル発生時の切り分け、調査は問い合わせが主体になるため、進展が遅い
- 耐障害性を考慮した冗長設計の考え方などにおいて、今までの考えが通用しない
- 費用のサイジングが難しい
- 稼働率を考慮しないインフラ + アプリケーションの構成には向かない
- 運用設計が最重要になる
- クラウド環境およびクラウド保存のデータに対するセキュリティ管理や課題対応が難しい
- 接続する回線や機器の仕様で、自社のセキュリティポリシーの変更・見直しが必要
【問題点】
- インターネット接続が前提の仕組みであるため、端末設定や現地ネットワーク・運用に依存する部分が大きく、展開やサポートに苦労する
- 仮想サーバーのダウンを前提としたインフラ面の設計が必要だが、それ以上にそのような環境に対応できるアプリケーション・ソフトウェアの設計が必要になる
- インフラレイヤーの冗長化は可能であるが、アプリケーションレイヤーでも冗長性が必要となる
- 障害ポイントがわかりづらく、問題が生じても対策を立てにくい
- 知見、経験が不足している
クラウド利用については、資産を持たずに比較的早く利用開始できるというメリットがあり、その点を魅力的に感じられている会員様が多い印象でした。その反面、セキュリティ管理や構築・運用などの面で不安を持たれている会員様もおり、当社としては、セキュリティ面や運用面を含めてお客様が安心してクラウドサービスを利用できるお手伝いができればと考えております。現段階では、クラウド型性能監視サービス「on SAMS」としてクラウドへの対応をおこなっていますが、ユーザー会などでいただいたご意見をもとに、今後、さまざまなご状況に合わせたサービスの展開を検討しています。
2017 年度としては今回が最後となりましたが、会員様から継続してほしいと強くご要望いただきましたので、今後も引き続き開催いたします。次回は「セキュリティ対策」をテーマに開催する予定です。
引き続き、別会場にて開催された懇親会で、会員様同士で親睦を深めていただきました。
本ユーザー会にご興味がございましたら、担当営業までご連絡ください。多くの会員様のご参加をお待ちしています。
【ご出席いただいた会員様(順不同、敬称略)】
- 株式会社エクセディ
- 京セラ株式会社
- トラスコ中山株式会社
- 三菱日立パワーシステムズ株式会社
- ヤマトシステム開発株式会社
他 1 社