2020 年から猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。ワクチン接種も進んでいますが、一日も早い終息を願う今日この頃です。私はスポーツ観戦が好きなので、画面越しではなく、試合会場で観戦できる日を心待ちにしています。
さて、今回のコラムでは With コロナで急増した Web 会議 のための、最適なネットワーク環境を整備していく際のポイントについてご紹介させていただきます。アフターコロナでも、新しい働き方のスタイルとして在宅勤務やリモートワークが定着していく可能性が高まるなか、Web 会議ツールは今後も重要なコミュニケーション手段として活用され続けることでしょう。
ところが、
「朝10時になると、一斉に Web 会議を始めるため急に重くなる」
緊急事態宣言以降、ネットワークの負荷状況に関するお悩みを伺うことが増えました。ネットワークが重いと、気分も重くなってしまいますよね・・・。
「通信が遅くならないように、利用者数の制限をかけている」
このような対応をとっている企業もあるようです。
より快適な Web 会議ツールを採用するか・・・。業務に制限をかけるか・・・。
どちらか一方を選択するしかない、という声をお聞きすることもありますが、業務に制限をかけることなく、全社員が快適に Web 会議を実施できる環境を整備することが最適なゴールではないでしょうか?
そこで、最適な環境整備のために必要となる管理のポイントをまとめてみました。
ポイントは、「社内からクラウドまで、システム全体の把握」、「ネットワークや各種サーバー機器のパフォーマンス管理」、「ネットワークや各種サーバー機器のキャパシティ管理」の三つです。
では、実際の事例から考えてみましょう。
弊社のお客様で、コロナ対策の在宅勤務によってリモートアクセスが増加し、SaaS サービスへのアクセスが遅くなる、繋がらない、という事象が発生しました。
こちらのお客様には、弊社のシステム情報管理ソフトウェア System Answer G3 をご利用いただいておりました。そのため、ファイアウォールやスイッチをはじめ、ネットワーク機器、サーバーなどを網羅的に監視し、「システム全体の把握」ができていました。加えて、何らかの事象が発生した際には、直接関与するファイアウォールや社内 LAN 機器、プロキシサーバーなどの負荷の確認(「各機器のパフォーマンス・キャパシティ管理」)を常時おこなっていました。
そこで、遅延の原因を究明するべく System Answer G3 が取得したデータを見たところ、社内 LAN 環境には問題がないことが判明したため、SaaS サービス側の問題ではないかと結論付けました。すると、その翌日には、当該 SaaS サービス事業者の Web サイト上に「接続できない事象が発生している」という報告が掲載されておりました。
もう一つ、とあるお客様の事例をご紹介します。
そのお客様は、元々 Web 会議の環境を整えていました。ですが、昨年、いざリモートワークを開始すると、遅延が発生してしまいました。
そこで、システム管理情報ツール System Answer G3 で原因究明をしたところ、リモートアクセス用ルーターの負荷によって遅延が起こっていると判明しました。そのため、急きょリモートアクセス用ルーターを増設し、アクセスを分散させる措置をとり、無事、解決に至りました。
いかがでしょうか? 上記、二つの事例から、最適な環境整備のためには「システム全体の把握」、「機器のパフォーマンス管理」、「機器のキャパシティ管理」が欠かせないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。
もっとも、
「回線増強すれば大丈夫 “だろう”」
「ファイアウォールのスペックが低いのが問題 “だと思う”」
などと過去の経験から、このような予測を立て、対策をするお客様は多いでしょう(実際、インサイドセールスとして様々な企業のご担当者の方とお電話でお話ししていると、推測で対策を練る方が非常に多い印象を受けます。たしかに経験からわかることもあります。ですが、お話しを伺っていて、危ない橋を渡っているのではないか? とヒヤヒヤしてしまうことも多々あります)。
弊社では、管理ツールで正確なデータを取得し、分析・活用することを推奨しています。正確なデータとその分析結果を根拠に、最適な対策をしていくことが重要であると考えているのです。管理ツールを用いてシステム全体を把握しながら、ネットワーク機器のパフォーマンスやキャパシティがどの程度の数値になっているのか確認することでこそ、無駄のない最適な投資計画を実現できます。
繰り返しになりますが Web 会議ツールは、今後も欠かせないものです。「ネクストノーマル」の時代に向けて、働き方改革という意味でも重要なインフラとなります。このインフラをどう運用していくかが、各企業の業績に直結する重要なポイントではないでしょうか。
この機会に、エビデンスベースの対策を始めませんか?「では、どこから手をつければいいのか」といったご相談も、お気軽にご連絡いただければと思います。
by カスタマーサクセス部 インサイドセールスグループ 増田 芽吹