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第77回:インフラの性能監視は平常時を正しく知ることが重要:見えているものがすべてではない?【後編】

前回のコラムでは、「平常時」を知ることの大切さについて解説いたしました。「性能監視」をすることによって「平常時」を知ることは、迅速な障害の原因特定に役立つのです。
今回は、人が見て分かりやすいように「可視化」することの重要性と、具体的な監視項目についてお伝えします。

システム運用者の方は、初期の構築段階時に色々なパートに分かれて構築をされていると思いますが、皆で同じデータを眺めることが、後々重要な判断局面で大きな効果をもたらします。スケールアウトなのかスケールアップなのか、刷新時期なのか、オーバーリソースなのか。ピーク設計、アベレージ設計、アプリ・インフラチューニングによる改善などでも性能を監視する事は必要であり、次なる投資への判断材料にも使えます。

そして人が見て分かりやすい可視化によって状態の理解速度も向上し「見えていなかったものが見える安心と、材料条件増加による精度向上根拠となる指標が出来る事」により、次の一手が打ちやすくなります。

特にサービスイン時や機能拡張時は、インフラからアプリケーションにわたり隅々まで前後のデータを読み取っていただきたい。その時の性能情報を読み取った経験が次のビジネスシステムの基盤構築の為の根拠のあるリソース設計、サイジングにお役立てする事が出来ると思いますし、将来への増加予測情報として付加できるかと思います。既に多岐にわたるシステムによる複雑な環境へ性能監視を導入する事も遅くはありません。

System Answer G3 では以下の性能監視項目を取得する事が出来るので、より多くの性能監視要件にマッチさせられるかと思います。

 

 

性能監視項目において、弊社ではなるべく多くの情報を引き出せるように機能開発やテンプレート化をおこなっておりますが、機器や OS のバージョンによって標準的に監視項目が取得できないケースもございます。また独自の項目を監視させたいケースもあるかと思います。そういったケースでは Script 監視によって補うことが可能です。私はレスポンス監視をしっかりと組み込んで、リソース負荷と遅延を気にする様に心がけています。応答値はサービスの安定を計る上で体感値に直結する重要な性能値です。

さて、そのような性能監視要件から複雑化していくシステムの性能を運用されている方々は、一度インシデントが発生すると色々な多くの情報を精査しなければなりません。多くの情報を自動的に計算・分析し、自動処理のお役立てする為の機能も備え、運用者の負担軽減とビジネスクリティカルに対して迅速な判断が出来るような分析機能を多種多様に揃えております

 

 

性能監視において、数値の羅列だけでなく、人が簡単に解釈できる図(グラフ)化はシステム自動化へ向けたアプローチとしても有効な道具となります。ベースラインやトレンドラインなどは、昨今のオートスケール環境の閾値設定への活用や、従量課金体系のクラウド環境においてもリソースの時間最適化へ活用できます。

手軽に始められるクラウドも、実際には全体的にいくらのコストになっていて、どれが多くコストが掛かっているのか、机上の計算だけではわからない部分も増えてきているかと思います。そういった中で分析値を持っておく事は、クラウド試算の精度を向上させて、より適切な設備投資をおこなっていきやすくなるかと思います。性能監視はその時のリソースだけでなく将来の効率化の為のデータとしても扱えます

System Answer G3では 3 年(設定により 5 年)分の非圧縮データを確保出来るようにデザインしております。レポーターと組み合わせれば、設備・リソース投資の資料作成からビジネスシステム安定化への設備指標資料、新規事業設備計画へのリソース基準指標などにも利用できます。運用者への支援ツールからシステム開発、システム企画まで幅広く活用出来るのが System Answer G3 の特徴です。

それでも、性能監視・性能分析は何を収集してよいのか分かりにくい部分でもあります。「いくつかの項目は分かるけども、それ以外に必要になりそうな情報はどうすれば…?」という場合もあるでしょう。弊社ではアセスメントや分析など、レポーティングサービスやコンサルティングサービスをおこなっておりますので、お客様の環境や課題にあわせ、最適な解決に向けてご支援させていただきます。

DX 時代となり、今後益々 IT 依存度が高まる中で運用効率がビジネス効率に直結し、IT 品質がビジネス品質に直結いたします。ビジネスを加速させる為にも、新たなデジタル技術を活用していくにも、開発と運用の共通したコミュニケーション情報とビジネスの安定と継続と維持を高効率化し、DX 変革へ迅速な対応を可能にする性能監視は攻めの道具となるでしょう。

最後に・・・
私は血圧が高いと指摘を受けてからヘルスケアツールを使用するようになりました。定期チェックの賜物ではありますが、平常時の値ははるか遠く…。コロナ禍の中、皆様の健康をお祈りしております。

システムの “ 健康 ” と構築・運用、性能監視・分析は、是非とも弊社へご相談ください。

 

by DX 営業推進部 次長 夏堀 貴仁

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