COLUMN

コラム

マルチクラウド・ハイブリッド環境におけるセキュリティ再設計

CNAPPの進化とTenableによる統合リスク管理の実践

クラウドの進化とセキュリティの複雑化

クラウドの導入は、企業のIT戦略において不可欠な要素となっています。IDC の調査によれば、2025 年には企業の 80 %以上がマルチクラウド戦略を採用すると予測されており、AWS、Azure、Google Cloud など複数のクラウドサービスを併用するケースが急増しています。

このような環境では、クラウドごとに異なる設定体系やセキュリティモデルが存在し、設定ミスや権限管理の不備による情報漏洩リスクが増大します。加えて、オンプレミス環境との接続を維持するハイブリッド構成では、境界が曖昧になり、従来の境界型防御では対応しきれない脅威が顕在化しています。

ITR の市場調査によると、国内 CNAPP 市場は 2022 年度に 175 億円、2027 年度には 257 億円に達する見込みで、CAGR(年平均成長率)は 7.9 %と堅調な成長を続けています。これは、企業がクラウドセキュリティを「優先的に取り組むべき課題」として認識し、対策を本格化させていることを反映していると考えられます。

 

■ CNAPPとは?クラウドセキュリティの新しい標準

CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)は、クラウドネイティブな環境におけるセキュリティを統合的に管理するためのプラットフォームです。以下の 5 つの要素で構成され、マルチクラウド・ハイブリッド環境におけるリスクを包括的に検出・対応します。

  1. CSPM:クラウドの設定ミス(例: S3 バケットの公開)や暗号化漏れを検出
  2. CIEM:過剰な IAM 権限や未使用アカウントの棚卸しと最適化
  3. CWPP:VMやコンテナの脆弱性、異常プロセスの検知
  4. KSPM:Kubernetes クラスタの RBAC 設定や特権コンテナの監視
  5. IaC セキュリティ:Terraform や YAML に潜む構成ミスの静的解析

これらの機能は、クラウドごとの違いを吸収し、統一されたセキュリティポリシーの適用と継続的な監視を可能にします。

 

■ オンプレミス環境の課題と統合管理への転換

多くの企業では、オンプレミス環境が依然として重要な役割を担っています。しかし、以下のような課題が浮き彫りになっています:

  • 境界型防御に依存した設計では、内部脅威やゼロトラストへの対応が困難
  • 脆弱性管理が手作業や定期診断に依存し、リアルタイム性に欠ける
  • クラウドとの接続部分が新たな攻撃対象となり、監視が分断されがち

このような環境では、オンプレミスとクラウドを一元的に可視化・管理できる統合プラットフォームが不可欠です。

 

■ Tenable One による統合リスク管理の実現

Tenable One は、オンプレミス・マルチクラウド環境を横断的に管理できるリスクベースのセキュリティプラットフォームです。

主な特徴:

  • リスクベースの可視化:CVSS(Common Vulnerability Scoring System) だけでなく、VPR(Vulnerability Priority Rating)を活用し、攻撃可能性とビジネス影響度を加味した優先順位を提示
  • 統合ダッシュボード:オンプレミスのサーバ、クラウドリソース、エンドポイント、Web アプリケーションなどを一元的に可視化
  • 攻撃経路のシミュレーション:潜在的な侵入経路を可視化し、事前に遮断
  • クロス環境の脆弱性管理:Tenable Cloud Security によるクラウド構成の評価、Tenable Vulnerability Management によるエンドポイント管理、Web App Scanning によるアプリケーション評価を統合

なぜTenableなのか

多くの CNAPP ソリューションは、個別のセキュリティツールを後から統合した「寄せ集め型」の構成が多く、運用面での一貫性や精度に課題を残しています。

一方、Tenable は 20 年以上にわたる脆弱性管理の実績を基盤に、クラウドネイティブ環境向けに設計された統合型プラットフォームを提供しています。

特に注目すべきは、VPR です。これは Tenable 独自のリスク評価指標であり、CVSS だけでは判断できない「実際に悪用される可能性」を機械学習により予測。これにより、対応すべき脆弱性の優先順位をより現実的かつ戦略的に判断できます。

さらに、Tenable Research チームが日々更新する世界最大級の脆弱性データベースと連携しており、新たな脅威情報を 24 時間以内にポリシーに反映。これにより、他社製品より平均 3 〜 5 日早く新種の脆弱性に対応できるという優位性があります。

 

IBC 国内導入事例:シチズン時計株式会社の取り組み

創業 100 年以上の歴史を持つシチズン時計株式会社では、年々増加するサイバーセキュリティリスクに対応するため、Tenable 製品を導入し、脆弱性管理の内製化と運用体制の強化を図りました。

導入前の課題:

  • 外部ベンダーによる定期診断では、新たな脅威への即時対応が困難
  • 限定的な診断範囲により、内部IT資産のリスク評価が不十分
  • 運用の属人化と、対応の優先順位付けが曖昧

導入後の成果:

  • 新たな脅威への対応力が大幅に向上し、対策完了までのリードタイムを短縮
  • 外部公開・内部資産を含む全体のリスク評価がリアルタイムに可能
  • VPR と CVSS を活用し、SLA(Service Level Agreement)に基づく対応状況の可視化を実現
  • IBC の支援により、英語マニュアルの負担や運用面の不安を解消

この事例は、Tenable 製品が単なる診断ツールではなく、継続的なリスク管理と運用体制の変革を支える基盤であることを示しています。

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■まとめ:セキュリティは「点」から「面」へ、そして「戦略」へ 

クラウド、オンプレミス、そしてマルチクラウド環境が混在する現代の IT インフラにおいて、セキュリティ対策はもはや「点」ではなく「面」で捉える必要があります。そして、単なる防御ではなく、リスクを定量化し、優先順位をつけて戦略的に対応することが求められています。

Tenable One はその中核を担うプラットフォームであり、Tenable Cloud Security はクラウドネイティブなセキュリティを支える実践的なツールです。

IBC では、「IT 障害をゼロにする」というミッションのもと、Tenable 製品群を活用したマルチクラウド・ハイブリッド環境のセキュリティ強化を支援しています。

 

次のステップ:製品説明・デモ・トライアルのご案内 

Tenable 製品にご興味をお持ちの方は、製品説明・オンラインデモ・トライアルのご要望を随時受け付けております。
セキュリティ課題の整理から、導入検討、PoC 支援まで、専門スタッフが丁寧に対応いたします。

 

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