・OSSで複数のユーザーに高品質なサービスを提供するには限界があった
・日々の業務をこなしながらOSSの 導入を牽引するのは困難だった
CASE STUDY
コンピュータネットワーク関連製品の企画・開発・輸入・ 販売、ネットワークデザイン、構築、コンサルテーション、 監視・管理などを事業として展開。
・OSSで複数のユーザーに高品質なサービスを提供するには限界があった
・日々の業務をこなしながらOSSの 導入を牽引するのは困難だった
・必要な性能監視情報を分かりやすく、迅速かつ容易に取得できる
・国産製品なので高品位なサポートと 素早い対応が得られる
・マネージドサービスの、より質の高いサービスの実現
・予防保守による顧客への最適な環境と提案を実現
・操作性の高いGUI による運用管理の効率化
・VPN、UTM 以外の分野のマネージドサービスも計画
・コンサルティングやSI へのサービス展開
・ソフトウェア監視ツールによる仮想化対応
株式会社ネットワークバリューコンポネンツ(以下、NVC)は、コンピュータネットワーク関連製品の企画から開発、販売、そしてシステムの構築、運用・管理まで、統合ソリューションとして提供。主にシリコンバレーの ベンチャー企業が開発した製品を日本国内でいち早く販売する会社として、IT 業界においてユニークなポジションを確立している。
取締役 エンジニアリング部 ディレクターの太田祐樹氏は、次のように語る。「まだ知名度の低い製品を国内に導 入し、実績を作ることで知名度を向上させることが得意な会社です。しかし知名度が向上すると、他社もその製品を取り扱うようになるため、何らかの差別化を図らな ければ導入してもらえなくなります」
そこで単に製品を販売するだけでなく、製品に付加価 値をつけ、トータルセキュリティソリューションとして提供。そのひとつが「マネージドVPN/UTM サービス」だ。先行して開始していたマネージドVPN サービスは、レン タルのネットワーク機器にブロードバンド回線をバンドルし、NVC の監視サービスを付加価値として提供。すでに約600 拠点にサービスを提供している。
また、2011 年から開始されたマネージドUTM サービスは、高度化するWeb からの攻撃に対して高まったセキュリティ強化に対する顧客のニーズ対して、専門的な統合セキュリティ運用を提供するMSP(Management Service Provider)サービス。この取り組みの一環として、採用されたのがアイビーシー(以下、IBC)のネットワーク監視アプライアンス製品「System Answer」だった。
NVC では、2009 年ごろからオープンソースソフトウェア(OSS)のネットワーク監視ツールである「ZABBIX(ザ ビックス)」をマネージドVPN サービスのオプションである監視サービスの中核技術として採用する取り組みを推進していた。しかしOSS を使用した監視サービスには、実運用に至るまでにいくつかの課題があった。
太田氏は、次のように語る。「System Answer の導入前は、死活管理は専用アプリケーションで実施していたが、そ のアプリケーションに性能監視の機能を追加しようと考え、OSS の組み込みにチャレンジしました。一部のサービスに導入してみたのですが、OSS で複数のサービス、複数のユーザーに高品質のサービスを横展開するには限界がありました」
また、エンジニアリング部 カスタマーサービスグルー プ マネージャーの林泰正氏は、「OSS を導入し効果的に運用していくためには、それを強力に牽引する人材が必要であり、専任の担当者を当てる必要がありました。しかし日々の業務をこなしながら片手間にOSS の導入を、高度な運用レベルまで実現していくのは容易ではないと判断しました」と話す。
さらに、エンジニアリング部 カスタマーサービスグルー プ サービスチームの森下寛信氏は、「OSS は、一部のネットワーク機器の基本情報をレポーティングするだけにしか使っていませんでした。そのため障害が発生したときに、原因の特定に必要な情報が不足しており、解決が困難でした」と話している。
NVC が監視ツールの検討を開始したのは2011 年夏ごろ。いくつかの製品を調べはじめたが、操作性や運用面でなかなか良い製品が見あたらなかった。System Answerの検討をはじめたのは2012 年の初めより。2012 年11 月初旬から既存顧客のサービスに導入を開始し、11 月中旬に稼働している。
System Answer の検討は、OSS の取り組みとほぼ同じ時期から開始されている。「OSS には、ライセンスコストが不要、柔軟にカスタマイズできるなどのメリットがある一方で、商用製品ではメーカーサポートによる安心感 などのメリットがあり、いかにバランスするかを検討しました」と太田氏は語る。
「OSS では、お客様が利用しているネットワーク機器の情報が本当にタイムリーに取得できるのかという課題がありました。System Answerは、必要な情報を柔軟に取得できるという話をIBC の担当者から聞いていたので、サービスチームに紹介したところ、すぐに採用が決定しました」(太田氏)。
System Answer の評価ポイントを、エンジニアリング部 カスタマーサービスグループ サービスチームの山本智志氏は、次のように語る。「System Answer を採用した最大の理由は、国内でのサポート体制です。性能監視ツールのほとんどは海外製品なので、問い合わせから回答までに時間がかかります。System Answer は、純国産製品なので、迅速なメーカーサポートが受けられることを評価しました」
また林氏は、「System Answer であれば、導入から運用、MIB 対応までをIBC がサポートしてくれるので安心して導入できます。高い操作性により導入のハードルを大幅に下げることができました。またOSS のサービス実現には非常に時間がかかりましたが、System Answer によりサービス実現までの期間を大幅に短縮できました」と話している。
NVC はSystem Answer を導入したことで、ネットワーク機器が出すさまざまなアラートを効果的に収集することができ、これまでのシステムダウンを契機とした保守対応でなく、予防保守や効果的なキャパシティプランニングもマネージドサービスの中で提供できるようになった。システムに対して影響が発生してからの保守対応では、顧客とNVC の運用担当者の両方に過大な負担がかかっていたが、その面でも大幅な改善となった。
マネージドVPN/UTM サービスを導入したい顧客は、面倒なセキュリティの運用管理や機器監視のためのコストを節約し、その上で安全で安定したネットワークサービスを利用したいと考えている。そしてその運用をプロに任せたいと考えたお客様がNVC のサービスを選択していてだいている。
林氏は、「マネージドサービスを選択したということは、我々にライフラインともいえるネットワークの運用を任せてくれたということ。しかし、従来の運用にはまだまだ改善の余地がありました。より安定したサービスを提供するには効果的な性能監視が不可欠でした。System Answer を導入したことで、自信を持ってマネージドVPN/UTM サービスを提供できるようになりました」と話す。
また会社の規模やサービスの範囲が拡大すると、ネットワーク機器のリソースが足りなくなる。そのためリソースを常に監視しておく必要がある。山本氏は、次のように語る。「現在どれだけのリソースを使っているかもSystem Answer で把握できます。これにより、半年~ 1年後にはリプレイスした方がよいですよという提案もできます。これにより、設備投資のための予算策定も容易になります」
さらにHA 構成の場合、アクティブ機の障害発生時の切り替えや、スタンバイ機の故障では単純な監視だとアラートを拾えない場合がある。System Answer では、シスログのメッセージをアラートに置き換えることができるため、HA構成時の障害を確実に掴むことができる。
そのほか、エンジニアリング部 カスタマーサービスグ ループ サービスチームの澤田悠氏は、「GUI が使いやすく、各種設定は容易でした。使い方が不明な場合も、IBC の担当者に迅速にサポートしてもらえるので問題なく利用できます。特に、情報を容易にグラフ化して状況を把握することができるほか、CSV ファイルに出力して必要なレポートに加工できるのも便利です」と話している。
今後、NVC では、マネージドサービスをVPN、UTM 以外の分野にも拡大していく計画。たとえば、Wi-Fi のマネージドサービスを実現することで、認証などのセキュリティ対策や無線ネットワークのパフォーマンス問題などに対応することができる。
太田氏は、「Wi-Fi をオンデマンドで必要なときだけ使いたいとか、Wi-Fi 環境の運用負荷を軽減したいといった要望をよく耳にするようになりました。こうした場面にもSystem Answer の性能監視は有効に機能すると思います」と話す。
また山本氏は、「System Answer で取得した情報を、コンサルティングや提案などに活用していきたいと思っています。これによりソリューションの構築にもつなげ、さらにサービスのレベルも向上していきたいと考えています」と言う。
さらに今後、仮想化やクラウドの利用が促進されるため、System Answer G2 の活用を検討している。林氏は、「仮想サーバーA の処理を仮想サーバーB に切り替えたときに、同等の性能が担保されるかは単なる死活監視では把握できません。System Answer G2 が間違いなく必要になります」と話す。
太田氏は、「今後は仮想化が一般的になるので、性能の状態を常に把握していないとリアルタイムに問題解決のためのアクションができない。また仮想化では、さまざまな機器が組み合わされるので、マルチベンダーに対するIBC のサポートには大きな期待を寄せています」と話している。
お気軽にお問い合わせ下さい
03-5117-2780