VMware/サーバー/ネットワーク監視ツール
COLUMN
2011.06.21

第2回:守りの監視から攻めの監視へ

弊社が性能監視の必要性を啓蒙し始めたのは2006年の春でした。当時ご賛同いただいたお客様もいらっしゃいましたが、市場の反応は緩やかなものでした。その後、経済環境やIT活用の変化により、2008年の秋頃にはお客様から性能監視をしなければならないとお声を頂戴するようになったと記憶しています。

その間に弊社では、ネットワーク監視分野から適応範囲を広げることに力を入れてまいりました。性能を監視することは単にネットワーク機器の状況を把握することだけではないと考えたのです。

一方で、利用者に安定したサービスを提供するために活動している監視の現場では、いくつかの問題がありました。

  • 1)応答遅延の実態がつかめない
  • 2)ネットワークとサーバーの問題切り分けが困難である
  • 3)ランダムなアラートで収束状況がつかめない
  • 4)異常値度合いがつかめない

これらの問題に共通しているのは、実態の把握や問題分析に時間が取られるため、タイムリーにユーザーへの報告や改善ができないということです。そこで、性能監視アプライアンスの提供を通じて、応答時間計測機能、サーバー機器の性能監視、アラート制御機能、性能監視比較機能など様々な新機能を提供して参りました。

さて、「守りの監視から攻めの監視へ」というテーマの本題に入ります。一般的に監視と聞くと、故障管理のイメージが浮びます。その場合の監視は、保守・運用のための仕組みであり、守りの監視です。トラブルの場合には、一刻も早く切り替えや修理をしなければならないことを考えると必須な管理であることも事実です。

その上で、わたしたちが提唱している性能監視の利点を紹介します。性能監視は問題の予兆をとらえ、予防保守を目的にした監視です。事後の対応ではなく、問題が大きくなる前に対応することを目指しています。これらを実現するためのアプローチには、ポイントが大きく2点あります。

まず、性能問題把握のためには監視インターバルの粒度と精度を上げる必要があります。データ収集インターバルを細かくすることにより、より現実に即した状況が把握できるようになります。データ収集インターバルが5分や15分の場合は、あまりに平均化されたデータであるため、潜在的な問題に気が付かない場合が多々あります。

次に大切なことは監視の適用範囲を広げることです。ネットワークシステムの異常を的確に把握するためには、基幹システムはもちろん、対向システムの状況や枝葉のネットワークまで計測する必要があります。また、ネットワーク機器のみならず、サーバー機器を含めて包括的に監視をすることで、問題の切り分けが容易になります。

ご想像の通り、適用範囲を広げるとともに監視インターバルを細かくすることにより、膨大なデータ量となるデメリットもあります。この処理量と精度のバランスが大切ですが、弊社のお客様においては1分単位の監視が広く受け入れられています。

さらに、問題予兆を的確に把握できるデータを簡単に確実に取得することも重要です。被監視機器にエージェントといわれるデータ収集モジュールを導入するタイプの製品ではいろいろなデータ収集が可能ではあるのですが、導入作業や保守において手間やコストの面でやっかいな点が多いのも事実です。弊社ではこの問題に対して、拡張MIBを用いることでコストと運用負荷を軽減しています。

このような手段により、サービス安定のための全体性能を積極的に可視化することで、問題の早期発見、早期対処、タイムリーかつ適切な設備投資や改善の根拠となる情報の提供が可能です。それゆえにネットワークシステムの未来を見据えた攻めの監視が実現できます。

最近、エンドユーザーの方々とお話しする際に、サービス提供状況に満足しながら、一方で現状のサービス内容に懸念を抱くお声を聞くケースが増えています。投資効果は妥当なのか、サービス時間は遅延してないのか、今後も問題が発生しないサービスを受けられるのか、など不安要素は多々あるとのことです。

これらの懸念事項は、ユーザーが現状を正確に把握できないことが原因といえるのではないでしょうか。

従来では、監視や性能情報は非公開とされる場合が多かったのも事実ですが、サービスの提供方法や利用者側の環境変化により、安定サービスの証明や改善根拠の提供が一層求められる状況になっています。わたしたちはこのような状況が訪れることを前提に、性能監視状況を安全かつタイムリーに公開する機能をご用意しています。

前述の通り、わたしたちが提供する性能情報は1分単位の詳細なものです。今まで平均化されたデータで問題点把握が困難であったケースやエンドユーザーに対する明確な解決策が提示できなかったケースに、根拠ある情報が開示可能となります。

また、ユーザー毎に安全かつ容易に性能情報公開が可能であることはもちろん、過去からの傾向や応答時間などユーザーにとってもわかりやすい報告が可能です。

このような手段を講じることで、今現在のサービス状況をタイムリーに提供し、サービス提供側からエンドユーザーに対して積極的に改善策や増強計画を提示することで、顧客満足度を向上していくことがこれからの性能監視ではないかと考えています。

次回のテーマは「大規模ネットワークシステム監視への新たな挑戦」です。

by マーケティング 岩井靖

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